病態病理学分野│群馬大学大学院 医学系研究科 高次機能統御系脳神経病理生体制御学

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ごあいさつ

ごあいさつ

Greeting

ごあいさつとこれからの教室づくりについての抱負

群馬大学大学院医学系研究科
病態病理学分野
教授 横尾英明

1.はじめに

 病理学は文字通り「病の理」を追究する学問として、長らく基礎医学の一分野に位置付けられていましたが、疾患を診断・分類するという病理学の持つ診療機能が次第に重視されるようになり、今日では臨床診療科としての地位を与えられました。病理診断は実地診療において強力なエビデンスを提供する手段として、その実施件数は増加の一途です。歴史上、今が最も病理医の力を必要としている時代であると言えるでしょう。そのことに私たちは大きなやりがいを感じています。
 しかし困った問題もあります。日本病理学会の統計によれば若い世代ほど全医師に占める病理医の比率が低く、病理専門医の平均年齢は約53歳と、我が国の病理学を取り巻く状況は厳しさを増しています。世間の注目こそ集めていませんが、実は最も足りていないスペシャリティであるとも言われています。

 病理学を担う我々は、この課題に正面から取り組む必要があります。病理学が医学医療の律速段階になってしまうことは何としても避けなくてはなりません。それにはなんといっても若い力が必要です。

2.教育体制

①志の高いスタッフの育成
 病理学が取り扱う教育内容は基礎から臨床まで幅広く、しかも全身に及びます。この膨大な教育業務を限られた人数で実施・継続していくためには、それを担う我々自身に病理医や研究者という認識に加えて教育者としての強い自覚が必要です。その意義を理解して実行できる志の高いスタッフの育成に努めます。

②学生資質の向上
 学部学生には、基礎と臨床の接点である病理学の学習を通して両者の重要性を認識させ、学習意欲を高め、学生資質の向上を図ります。人材確保の点からも少人数教育の機会は重要であり、実習には全力を挙げて取り組みます。

③卒後教育の充実
 病理専門医、学位取得、留学、研究職など、長期的視野に立って具体的な努力目標を提示し、若手にとって魅力ある環境の整備に努めます。また、未来の病理学を担う指導的人材を常に一定数輩出できるよう、国際的水準の知識ならびに研究能力の獲得を促し、国内外の研究教育機関とは積極的に交流を行います。

④愛校心の涵養
 学生に対して、教員自らが手本となって母校や地域を愛する心を育てます。そして一人でも多くの卒業生が母校への貢献を考えてくれるよう働きかけます。

3.研究体制

①医学諸分野の架け橋に
 病理学とは元来、生命現象を統合的に捉える学問です。昨今の医学研究が細分化から統合へと向かう潮流を強めていることは、病理学にとってはチャンス到来と言えます。異分野との積極的な交流を通して人材育成と病理学の発展に努めます。

②神経病理学、脳腫瘍病理学の一大拠点を目指す
 当教室は創設以来、神経病理学を主要な研究テーマとし、脳腫瘍病理学に関しては我が国における事実上のナショナルセンターとしての機能を長年果たしてまいりました。この伝統的な研究テーマを堅持することで病理学領域への貢献を続けてまいります。

4.病理診断業務

①特定の臓器に限定されない病理医の魅力
 病理診断医の最大の存在価値は、特定の臓器に限定されない診療科横断的な知識・技能を有する点にあると考えます。よってこれまでと同様に、全身を対象とした人体病理学の実践(組織診、細胞診、病理解剖)を重視する立場に変更はありません。

②高度先進医療の基盤としての病理診断
 質・量ともに伸びの著しい附属病院病理部の業務については、病理部や病理診断学分野のスタッフと密接に連携して応分の責任を果たすとともに、大学病院が遂行する高度先進医療の基盤となりうる病理診断を提供できるよう、診断の質の向上に努めます。

③病理学の社会貢献
 地域に開かれた大学を志向する本学の基本方針に倣い、大学での諸業務と並行させながら市中病院での病理業務を担える人材を育成するとともに、市中病院で奮闘する病理医仲間を支援し、連携を深め、生涯学習の機会を提供します。

④男女共同参画の就業環境
 昨今の女性医師数の増加により、その力をいかに活用するかは医学医療の未来を左右する重要な課題です。病理学は以前から女性医師の比率が高い部署であり、女性医師の就業環境の向上に努め、より良い職場モデルとなるよう目指します。

5.結語

 教育・研究・診療はそれぞれ密接な関係にあり、何一つおろそかにすることはできませんが、本学ならびに病理学領域の現状、そして基礎と臨床に幅広い接点を有する病理学の特性を踏まえ、私はまず人づくりに尽力することから始めたいと思います。病理学がしっかりすることで基礎にも臨床にもよい影響を与え、さらには両者との連携を図りつつ病理学の価値を高めることで、大学や地域医療に貢献できる病理学教室を目指していく所存です。  若い皆さん、どうか私たちと一緒に新しい時代を切り開いていきましょう。
(2014年1月16日)

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